近頃最近まったくオカシイのだ。
目が覚めても夢を覚えていることが多い。

思えば、僕は子供の頃から夢を見ない子供だったと思う。
寝る瞬間から起きる瞬間までが繋がっていたと記憶している。
だから学校などで友達の話を聞きながら「僕は損な人生だな」と気を落としたものだ。
やがて迎えた中学も、忙しかった高校受験も、その後の高校生活も、全部が全部を通して、夢は見たことが無いと思う。
そんな筋金入りの現実至上主義が、一体はてはて夢など見るようになってしまったのだろう。
特に原因として思い当たる事はないのだが。

僕は今までが夢を全く見ない人間だったから、今更にこんな夢を見るようになってもまったく嬉しくない。
世の常識としては夢とは良い物とされているようで、唯一の悪夢以外は大抵手放しに許容される傾向がある様に思える。
しかしながら、僕はいままで見なかった物があまりにも多発するので、逆に気持ちが悪いと思っているのだ。
二十歳を境に幽霊を見るようになった男の物語があったならば、僕はその男の心境がよく分かる気がする。

今日はこんな夢を見た。
僕は道を歩いていた。
朝焼けなのか夕焼けなのかは分からないが、赤い空が僕の影を伸ばしていたことはよく覚えている。
ここはどこだろう?
ああ、家に帰らないといけない。
知っているような知らない道を歩いていると、電柱の影がおかしい事に気が付いた。
道の両側に7mほどの間隔で生えている電柱の影は、それぞれが別の方向に伸びていた。
僕はそら恐ろしくなり、知らない道の路地へと足を速めた。
すると、そこには昔に住んでいた一軒家があった。
モルタルの壁は苔むしていて、トタンの屋根とよく合った色をしていた。
僕はすぐに玄関をくぐり、土足のまま二階へ向かった。
黄ばんだ障子の扉が左右に2つ、僕の部屋は右の部屋だ。
僕は迷わず右の障子を開けた。
そこには布団が敷いてあり、誰か寝ていた。
ああ、僕の部屋で誰だろう。
沈むのか上るのか分からない太陽の光では、僕の部屋は薄暗いままだ。
電気を点けよう。
電球から垂れた紐を引こうと、僕は布団に近づいた。
ふっと、顔が見えた。
僕だった。
そこには僕が寝ていた。


こんな夢は良い夢なのか悪い夢なのかは、経験の無い僕には判断が出来ないのだが、それにしても気持ちが悪い事は確かなのだ。

いやはや、夢なんて見るもんじゃないね。
そう思います。

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