妖幻の血

2005年8月21日 読書
秀逸っ・・・!
こいつは実に秀逸な訳ですよ。
パッと見の絵柄はサブカルチャー全開のどこかで見た事の有る様な・・・? 地雷獣?羊のうた?
まぁ、それはいいんですよ。
そんな絵柄で内容は古いフランス映画って言うんだから、それはもう漢字で浪漫って書いちゃう訳ですよ。
漫画の漫は浪漫の漫とでも言いましょうか、多少踏み込んだ話をすれば、漫画とは単にサブカルチャーであると言う原典に回帰するべきな作品と言えるのでは無いでしょうか。

話の内容をお話しましょう。
兎角ありがちな古き日本の○○浪漫な時代背景が舞台と成る本作
勿論ご安心下さい、椎名林檎の様なインチキ漢字は出ては来ません、どちらかと言えば斜陽族を地で行けそうな雰囲気なのでアンニュイ振りたいニヒリストな方にはピッタリの代物とも言えましょう。
そんな作風に少女が2人、登場するのですが。
不思議と今の世間の風潮と外れているのです。
シチュエーションはぺドの謗りを受けるに相違ないのですが、不思議と受けない訳なのです。
それは先ほども述べたとおり、ちょっとフランス映画?みたいな?えっ、お洒落なの?タランティー?みたいな?
敢えて言えばロリコンさんからサブカル少女、安楽椅子探偵の方々にまで受ける印象は間口が広いと言えましょう。
だからこれを機にロリコン等の香りのする作品を嫌っていた方々にこの作品をお勧めしたいと思います。
そして今作の様な前例をもって、ペドフィリア作品に対する迷妄の闇を知性の光で払って欲しいものです。

と、こんな事を書いていると僕の人格まで疑われてしまいそうなのですが。
僕はいたって普通なのでご安心を。
しかし、何がデフォルトなのか分からないのが今の現代と言えましょう。
なぜなら国民の6割がハードゲイと口にしたことがあり、あと数年後のジェンダーフリーの軋轢はどうなるのでしょうか。
美少女ゲームは「美女」ゲームでは無く、「美少女」ゲームである事の異常さに気がつかない今。
次の世代の覇者は誰になるのか分からない訳なのですが。
そんな群雄割拠を制するキーは案外こんな古臭いサブカルチャーなのかもしれません。
さすれば本作「妖幻の血」。
一読の機もまた一興かもしれません。
そんな訳ですよ。



ISBN:4757510713 コミック 赤美 潤一郎 スクウェア・エニックス 2003/12/22 ¥580

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